日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-51
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ポスター発表
女子大学生の食生活と幼少期の収穫・調理経験との関連
山本 いず美*小川 眞紀子*五十地 優希大島 瑞季柿元 日香里田中 麻友美
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抄録

【目的】幼少期は、人の生涯にわたる食生活習慣の形成や、味覚の基礎を築き上げる時期であり、栽培、収穫、調理などの食経験を通じて食べ物に関心を持つことは重要であると考える。そこで本研究は、女子大学生の幼少期の食経験と現在の食意識と行動との関連を検討した。【方法】本学1年生 35名を対象とし、2015年10月に自記式質問紙調査を行った。調査内容は、幼少期の食生活、現在の食生活、スケッチ法による食事調査、料理の選択と米飯の摂取についてである。【結果】幼少期に食事に関する手伝いを経験した人は89%で、その内容は配膳が最も多かった。また、収穫経験をした人、調理経験をした人はそれぞれ80%であった。現在、食事作りが好きと答えた人は94%と多く、その理由に「作るのが楽しいから」と答えた人が最も多かった。収穫・調理経験が両方ある人をA群(n=24)、ない人をB群(n=11)とし比較を行った。A群は現在の食習慣で気を付けていることがある人が有意に多く、「栄養バランスよく食べる」「よく噛んで食べる」人が多かった。両群共に、夕食に「主食+主菜+副菜」の揃った食事をしている割合が高く、B群は「主食のみ」「欠食」も多かった。【考察】本対象者は、食事作りを好み、楽しいと感じている人の割合が多かった。幼少期に収穫・調理経験のあるA群は、栄養バランスよく食べることを意識し、普段の食事に活かそうとしている人が多かった。これらの結果から、幼少期より栽培、収穫、調理などの食経験を積むことは、女子大学生の栄養バランスの整った食事への実践につながることが示唆された。

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