日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2A-p4
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口頭発表
大学および専門学校生の料理の習得に及ぼす調理実習の影響
*堀 光代平島 円磯部 由香長野 宏子
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抄録

大学および専門学校生の料理の習得に及ぼす調理実習の影響

○堀光代1),平島円2),磯部由香2),長野宏子3)
1)岐阜市立女子短大, 2)三重大学, 3)岐阜大学

 【目的】現在の学生は高校までに料理をする機会が少なく,調理経験が非常に少ない。そこで,大学または専門学校在学中での料理の習得状況について調査し,学校での調理実習による料理の習得に対する効果について検討した。
【方法】2007~2009年4月に大学・短大・専門学校に入学し,2009~2012年3月に卒業した学生677名に対し,75種類の料理の習得状況をアンケートにて調査した。各料理について「できる」「できない」「知らない」から選択回答させた。「できる」と回答した場合はできる理由についても質問した。結果は在学中に調理実習の授業を履修した学生と,していない学生分けて分析した。また,入学時との比較も行った。
【結果】対象者全体では卒業時に75種類の料理が「できる」または「できない」と回答した割合の平均は入学時と同様だった。一方,「知らない」料理の割合は減少した(p < 0.01)。料理を「できる」理由については「入学前からできる」と回答した学生が最も多く,在学中に料理はほとんど習得されなかったと考えられる。しかし,調理実習を履修した学生は履修しなかった学生と比べて卒業時に「できる」料理の数が増え,「できない」料理と「知らない」料理の数は減少した(p < 0.01)。「できる」ようになった理由として「授業でやったから」と回答した割合が卒業時には多く挙げられた(p < 0.01)。一方,調理実習を行わなかった学生は入学時と卒業時の料理の習得状況に変化がなかった。以上の結果より,大学または専門学校に在学するだけでは料理をできるようにならないが,料理を習得するためには調理実習など料理を行う機会を持つことが重要だとわかった。

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