日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-8
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ポスタ-セッション
近畿の食生活と野菜(兵庫)
-家庭における野菜の利用状況―
*原  知子林 利恵子本多 佐知子
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抄録


【目的】
 野菜は食生活の中で重要視される食材であるだけでなく、季節や地域による特徴も大きく食生活のあり方や時代によっても利用状況やニーズが変化する可能性が大きく、食文化を反映する食材でもある。しかし、多様な種類や利用方法も個人によるところが多いため、その使用実態や利用状況は明確でない。そこで本研究では、日本調理科学会近畿支部 食文化分科会の野菜研究の一環として、兵庫県在住者を対象としたアンケート調査によって、日常家庭で使用している野菜の種類、利用状況、嗜好の変化、調理方法、地域の違いなどについて明らかにすることを目的とした。
【方法】
 調査対象:兵庫県在住者(県庁所在地とそれ以外の地域)の調理担当者、調査時期:2007年10~12月、調査方法:直接記入法(留置法)による。有効回答数140部、回収率83.3%であった。調査内容は、居住地域や年齢等の属性、健康志向意識、野菜の嗜好・摂取意識、入手方法、選択基準、家庭で食べる頻度、調理頻度、季節感、調理方法などの質問項目によった。
【結果】
 アンケート対象者の約90%が調理頻度がほぼ毎日で、健康に気を配るという意識をもっていた。野菜の入手は店舗からが73%と多いが、今回の対象者のうち約20%が自家栽培を用いていた。購入時は、鮮度、国産か輸入か、によって選択する人が多かった。野菜の嗜好に関して、過去嫌いな野菜145件、現在嫌いな野菜68件と野菜嫌いは経年変化で少なくなる傾向が認められたが、日常の摂取野菜皿数では、1日2皿が最も多く、推奨されている1日5皿以上は9.4%のみで、野菜摂取を意識していない人には5皿以上摂取はなかった。家庭で年間を通じてよく食べる野菜はたまねぎ、にんじん、青ねぎ、キャベツ、旬の時期によく食べるものはえだまめ、筍、白菜、ほとんど食べない野菜にはつるむらさき、缶づめアスパラガス、くわい、じゅんさい、うどなどがあげられた。

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© 2008日本調理科学会
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