日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-63
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ポスター発表
特定給食施設におけるHACCPシステムについて
奥野 元子*坂根 千津恵
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抄録

【目的】現在、多くの特定給食施設では、平成9年(平成15年最終改正)に厚生労働省が通知した「大量調理施設衛生管理マニュアル」に従った衛生管理が行われている。このマニュアルは、HACCPの概念を取り入れた食中毒を予防するための重要管理事項を示したものである。本研究では、栄養士として身につけておくべき衛生管理の知識習得を目的とし、本学集団給食実習室及び食事サービス実習献立においてHACCPシステムをシミュレーションした。
【方法】HACCPの前提条件である、一般的衛生管理プログラム(PP)の中の施設・設備環境について、集団給食実習室の現状把握を行った。次にHACCPの12手順に従い集団給食実習室の図面作成、衛生標準作業手順書(SSOP)の項目検討を行った。食事サービス実習の第1回献立をモデルとし、フローダイヤグラムと危害分析ワークシートを作成し、重要管理点(CCP)の決定、管理基準(CL)までを検討した。
【結果】PPの施設・設備環境については、床、排水、窓を除く、換気、照明、温度、湿度、使用水の項目は基準を満たしていた。SSOPは基本的な衛生管理についてのマニュアルで、その項目は1.使用水の安全性2.食品に接する表面の状態と清潔さ3.食品等の衛生的な取り扱い4.交差汚染の予防5.手指の洗浄、手指の消毒、便所の施設の維持管理6.食用不適にする物質からの防除7.有毒化合物の表示、保管と使用8.作業者の健康状態9.有害小動物の駆除の9項目とした。モデル献立のフローダイヤグラムから危害分析を行い、SSOPによって管理できない工程をCCPとした。CCPには加熱工程が該当した。加熱工程のCLは大量調理施設衛生管理マニュアルに準じた。

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© 2006日本調理科学会
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