日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-a3
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口頭発表
赤ネギの部位別にみた抗酸化活性と抗酸化成分
*青山 佐喜子高田 修代山本 由喜子
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抄録


【目的】近年、伝統野菜として市場に見られるようになった赤ネギは、根深ネギの一種で葉鞘部の外側があざやかな赤色を帯びている。赤ネギの成分や機能性についてはほとんど報告を見ないが、著者らは赤ネギが強い抗酸化活性を持つことを認めている。本報告では赤ネギの部位別抗酸化活性を比較し、さらにフラボノイド、ビタミンC、総アントシアニン含量との関連性を検討した。
【方法】赤ネギを、葉鞘部外側(赤色部位)、葉鞘部内側(白色部位)、緑葉部(青色部位)に分け、各部位から水溶性画分と脂溶性画分を得て、抗酸化活性と抗酸化成分を測定した。抗酸化活性はTEAC(Trolox equivalent antioxidant capacity)とFRAP(Ferric reducing antioxidant power)を用いて測定した。抗酸化成分は、フラボノイドを加水分解後HPLCにより、ビタミンCをHPLCにより、総アントシアニンを比色法により測定した。
【結果】抗酸化活性は赤色部位が最も強く、次いで青色部位で、白色部位は最も弱い活性であった。フラボノイドは赤色部位、青色部位からケルセチン、ケンフェロールが、白色部位からはケルセチンが検出された。フラボノイドの総量は赤色部位が最も多く、青色部位の約5倍、白色部位の約50倍であった。総ビタミンCは青色部位が最も多く、赤色部位が最も少なかった。総アントシアニンは赤色部位に多く含まれ、白色部位にもわずかに含まれていたが、青色部位では検出されなかった。以上のことから赤色部位の強い抗酸化活性にはフラボノイドとアントシアニンが関与し、一方青色部位ではビタミンCとフラボノイド、白色部位ではビタミンCが抗酸化活性に関与していることが示唆された。

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