日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-a1
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口頭発表
製パン性におけるレモンフラボノイド添加の影響について
*大藪 佳苗三宅 義明平光 正典木村 友子
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抄録


【目的】果実及び野菜に含まれるフラボノイド類は、健康増進、維持に関わる生理機能が知られている。レモン果実のフラボノイド(レモンフラボノイド)は、抗酸化成分のエリオシトリンを含み、高い抗酸化活性から機能性が期待されている。本研究ではレモンフラボノイドの食品への活用を目的に、食パンへの添加を試み、製パン工程におけるフラボノイドの変化や、製パンの物性や官能評価への影響を調べた。
【方法】レモンフラボノイドは、レモン果皮の水抽出液を逆相樹脂処理し、エリオシトリンを30%含有する粉末を調製した。食パンの調製は、基本割合に強力粉に対して0.25、0.50、0.75%のレモンフラボノイドを添加し、パン用ミキサーで生地を作製し、食パン型(205×110×100mm)に入れ、ガスオーブンを用い150℃で30分間焙焼した。焙焼処理前後の食パンをエタノールにて抽出し、その抽出液中は、HPLCにてエリオシトリン含量を定量し、また、DPPHラジカル捕捉活性を測定した。各食パンについて 色調、比容積、水分量、物理学的特性値(クリープメーター)を測定し、官能評価(順位法、2点嗜好試験法の変法)を行った。
【結果】焙焼後の食パンは、エリオシトリンを含有しDPPHラジカル捕捉活性は充分に保持していた。食パン内層色は、レモンフラボノイド添加パンは無添加パンに比べL値が減少し、a値、b値が増大し、黄褐色に変化した。レモンフラボノイド0.25%添加食パンは、比容積、水分量が増加した。テクスチャーの硬さは減少し、凝集性は増加を認めた。官能評価は無添加食パンと比較して味と総合評価の項目において同等または有意に好まれる評価であった。

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© 2005日本調理科学会
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