日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-p8
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口頭発表
ウエッブ上の食事支援サイトの実態からみた食物摂取と食事時刻
名倉 秀子峯木 真知子*茂木 美智子
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抄録


(目的)携帯電話のウエッブサイトに開設した食事支援サイトのアクセス者の特徴と摂食実態を分析した。“ケイタイ”の簡便さ、普及の度合いに比例して回答数が多く寄せられる点がこれらデータの特徴であるが、一方また媒体の容量の制約から、通常の食事調査に比して制約も多い。これらの特徴を踏まえ、今後の食教育の場としてのコンテンツつくりに反映させる基礎資料作成を目的とした。
(方法)本ウエッブのコンテンツは、株)ワーキング・ヘッズ社との共同設計によるもので、アクセス者は性別、年齢、身長・体重、身体活動別を入力した後、摂取食物内容を入力して、おおよその食事指導の方針を得る仕組みとなっている。食品入力のほか、食事時刻、外・中・内食の別も入力する。本報告の分析対象期間は2004年12月15日から2005年3月18日までの約3ヶ月間とし、対象は1日分以上の入力条件を満たしたアクセス分とする。
(結果)分析対象期間におけるアクセス数はのべ約27,000件であった。アクセス数の男女比率では、1:6と女子が多く、年齢構成では、18_-_21歳の年齢層で高く、BMIの高い分布を示した。食物摂取時刻のピーク(食事時刻)は、昼食、夕食にまだピークが残るものの、調達先がコンビニであるものに限ると、ピークはなだらかになり、コンビニ調達の食物利用の特徴が顕著にみられた。現在、コンテンツの保有食品データベース数は約900食品であるが、これらの累積出現頻度は約150,000にのぼった。食品名の単独検出による出現頻度は「ごはん」が最も高く、飲料類が上位にのぼったが、出現食品の種類数は予想より分散した。アクセス者である一般人の食品や料理の認識レベルがどの程度のものであるかの把握は、今後の食支援や食教育をめざす上で、大きな課題と考えられる。

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© 2005日本調理科学会
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