日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成16年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-p3
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一般講演
東海3県の豆類・いも類の利用状況
*武藤 亜有山内 知子南 廣子
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抄録

【目的】東海3県(愛知、岐阜、三重)で食されている野菜としての豆類(菜豆:未熟豆をいう)・いも類の料理およびその加工品の利用状況を調査し、現在における伝統料理の特徴と地域の特性を明らかにすることを目的とした。平成13、14年度日本調理科学会特別研究の一環として実施したものである。
【方法】調査数は愛知171、岐阜82、三重218の合計471世帯で、平成13年7月から14年1月にかけて、現在使用している豆類・いも類の種類と調理法などについてアンケートおよび聞き取り調査を実施した。
【結果】豆類・いも類の食品数は24種類であったが、菜豆7種(さやえんどう、さやいんげん、スナップえんどう、枝豆、グリンピース、未熟そら豆、未熟落花生)はいずれも完熟前に収穫し使用していた。豆料理の出現数は、愛知県では少なく、三重県では多い。3県の1世帯当りのさやを食べる豆料理の出現数は3.6、未熟豆類2.6種であった。さやいんげんはあえ物(ごまあえ、みそあえ)、サラダへの利用が50%を占め、天ぷら、炒め物では約10%、煮物では他の野菜類との色どりに、スナップえんどうは煮物が主で、一部洋風料理への利用が特徴的であった。グリンピースはえんどう飯、卵とじ、また甘煮(翡翠煮)は三重県で多かった。未熟そら豆は塩茹でやそら豆飯、そら豆餡を使った菓子である岐阜の「みょうがぼち」三重の「べんがら」が特徴であった。三重では未熟落花生を塩茹で後、甘い煮豆として利用する。いも類では5種類の利用があり、農村部での報恩講や行事食ではさといもの廃棄部分(葉柄・葉)を乾燥して煮物や汁物に利用していた。

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