人工臓器
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体外循環中の諸因子がサイトカインに及ぼす影響
山崎 一也相馬 民太郎小菅 宇之軽部 義久安達 隆二
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1997 年 26 巻 1 号 p. 34-37

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抄録

体外循環中の諸因子がサイトカイン(1L6, IL8)や好中球エラスターゼ(PMN-E), 乳酸, ピルビン酸の値に与える影響を検討したので報告する。対象は成人CABG症例32例で、体外循環開始直後, 体外循環終了直後, 手術終了後6h, 12h, 18hの計5回動脈血を採取しIL6, IL8, PMN-E, 乳酸ピルビン酸を測定した。各値とも体外循環終了直後からOPE後6hにピークを迎えその後漸減した。体外循環中の諸因子と各測定値との相関を見たところ, 体外循環時間, 大動脈遮断時間と体外循環終了直後のIL6との間にr=0.52, 0.51が得られた。最低食道温とOPE後18hのPMN-Eとの間にはr=-0.67が得られた。また最低直腸温とOPE後18hのIL6, PMN-E, ピルビン酸との間にはr=-0.51, -0.58, -0.57が得られた。これより体外循環において体外循環時間, 大動脈遮断時間と最低食道、直腸温が各々違った時間で測定した術後のサイトカイン、PMN-E、乳酸、ピルビン酸値に影響を及ぼすことが示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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