人工臓器
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肺動脈狭窄を伴う型で送血管が挿入された経静脈的右房脱血RVADの右心補助効果について
三浦 正道島貫 隆夫深沢 学鷲尾 正彦
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1990 年 19 巻 1 号 p. 196-199

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抄録

右心不全に起因した低拍出量症候群に対する右心補助として経静脈的右房脱血、カニュレーション法による肺動脈送血のRVAD(II群)の効果を、容量負荷のみ行なった(I群)場合と比較検討した。体循環の血流量は常時100me/min/kgに保ち、パイパス率を50%とした。II群では、カニュレーションにより生じた肺動脈狭窄にもかかわらず、RVADの容量補助による固有の右室拍出量の減少、及びカウンターパルセーションによる肺動脈収縮期圧の低下のために、右室収縮期圧を増大させる事は無かった。また、固有の右室の拍出量が減少しただけ右室の仕事量も軽減された。これは、右室流出路狭窄を伴う型でRVADの送血管が挿入されても右心補助効果が十分得られることを示し、又、経静脈的右房脱血にて十分な脱血も得られることから、より簡便に装着できる非開胸的、経静脈的RVADが可能であることを示唆している。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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