1990 年 19 巻 3 号 p. 1258-1261
人工血管別にaxillofemoral bypassの術後遠隔成績を検討した。対象は1977年より1988年までの11年間の手術症例37例で、これをDacronグラフト群(Sauvage Dacron、17例22グラフト)、PTFEグラフト群(externally supportd PTFE、20例24グラフト)の2群に分けた6術前において、Fontaine分類による臨床症状、血管造影所見等に両群間で差はなかった。術後遠隔成績をみると、Dacron群では術後11年でも開存例は認められたが術後10本のグラフトが閉塞、うち4本で血栓摘除により再開通が得られた。グラフトの閉塞時期は平均術後1.5年、その開存率は術後1年91%、5年67%、10年62%となった。一方PTFE群では最長6年の追跡で5本のグラフトが閉塞したが、うち2本で血栓摘除により再開通が得られた。その術後開存率は1年95%、5年86%となり、4年以降6年までの開存率はDacronグラフトに比し有意に良好であった。