人工臓器
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長期透析患者におけるAluminium(Al)骨症及びHemosiderosisに対するProtein Permeable Hemodialysis(PPHD)ならびにDesferrioxamine(DFO)療法の有用性
松村 治佐中 孜田中 嘉彦江良 和雄雨宮 秀博杉野 信博
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1987 年 16 巻 2 号 p. 834-837

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抄録

Al骨症10例, hemosiderosis 5例に対しDFO(10~30mg/kg, 週1回)投与し, PLMを用いたprotein permeable hemodialysis(PPHD)のAlとFeの除去能ならびに臨床効果を検討した。
PPHDのAl-DFO複合体除去能は, 通常のHDに比し有意に高値であった。また, DFO投与にて, AlとFeは競合し除去された。
Al骨症例は, DFO投与1~3回で全例骨痛の減弱を認め, 難治性骨折の1例も3ケ月で治癒した。
hemosiderosis例では, 明らかな臨床効果は得られなかったが, 血清Ferritinは3ケ月後有意に低下しており, 病態の進展防止となる可能性が示唆された。
DFOの週1回投与は, 副作用の発現が少なく, 臨床効果としても充分満足できるものであった。
以上より, PPHDは, 実施の簡易さもありAl-DFO, Fe-DFO複合体の除去に有用と考える。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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