1967年より1984年9月までに, re-AVR後の5例とre-MVR後の7例に再々弁手術を施行した。再弁置換を含め再々手術に到った主因は弁輪部縫合不全であった。
3rd-MVR群での縫合不全は, 機能不全に陥いった人工弁縫合弁輪部の遺残や, 弁輪部石灰化組織を除去し, 新しい人工弁縫合輪との適合を計ることにより良好な経過をとった。これに反しleakによる3rd-AVR群では, 修復後も高率にleakが残存し遠隔期に2例を失なった。剖検で左室心筋の一部瘢痕化, 心筋肥大と間質の線維化が認められた。3rd-AVR時の左室心筋生検例でも, 心筋の線維化が進行し, 再々弁置換術後の逆流遺残による左室拡張性病変の進行が考えられ, 予後不良と思われた。弁輪部にかかかるmycotic aneurysm形成例では, 右房, 右室流出路を利用し, ほぼ全周にわたって, 大動脈外側より縫合を試みても, re-AVR後にも縫合不全が残存し(4/68例)これらでは初回IEでのtranslocationの適応はあると考える。