人工臓器
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TAH実験における左右ポンプ流量差に影響を及ぼす因子について
田中 隆高谷 節雄高野 久輝阿久津 哲造
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1248-1251

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抄録

in-vivoのTAH実験いおいて, 左心ポンプ流量が右心側い比べ10~25%多いことが報告されている。当研究所のTAHシステムではプッシャープレート型ポンプを用いて, ホール信号をもとに毎分流量を算出している。この方法では, 弁の逆流や右房から肺動脈への流れ込みは測定されず, 左右ポンプの流量差に影響を及ぼす可能性がある。そこで本研究では, 心房の拍動を考慮したin-vitro実験を行い, 右房から肺動脈へ直接流れ込む条件を明確にするとに, 弁の逆流による影響について調べ, これらの測定誤差を定量的fr把握した上でホールセンサによる流量測定法の妥当性について検討した。その結果, VR (variable pulserate)及びA-SYN (atrial synchronous)モードで駆動することによって測定誤差は5%未満におさえることができ, ホールセンサを用いた流量測定法の妥当性が確認できた。左右ポンプの流量差については, 計測上の問題よりも気管支循環等の生理学的な要因が大きいと思われる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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