人工臓器
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埋込み型全人工心臓(TAH)の流入弁の検討
高木 啓之高木 登志子神納 美紀子早川 政史
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1235-1238

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抄録

新しい弁評価法として, 自動制御のパンピングを利用する方法を開発し, それを導入して, TAHを高能率化するためには, 流入弁にどんな性格が必要かを, pocketless leaflet弁, modified duct ball弁, hinge弁を使用して検討した。その結果は, 低圧の右心系では, leaflet弁が最もすぐ地ていることが判明, 高圧の左心系では, 上記3種の中ではball弁が最も望ましいものではあったが, diastoleが長いという欠点がある。したがって, leaflet弁では, 血栓形成を100%予防するデザインの改良が, 上記ball弁では, diastoleを短縮するという基本的改良が必要であると判明した。市販のdisc弁は, 恐らくhinge弁と同様で, 弁閉鎖のための逆流が多く, そのための血液が無限にある大動脈弁にはよいが, サック型ポンプの流入弁としては, stroke volumeが減るから不適当と思われる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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