1985 年 14 巻 3 号 p. 1227-1230
本研究の目的は, 空気圧駆動型完全人工心臓において種々の制御方法を検討するために使用しうる汎用の自動制御システム開発のための, 制御アルゴリズムを開発することである。1)任意の制御パラメータの一定の目標値に対し, 生体側の外乱の引加にかかわらず, 制御量を一定に保つ定値制御, 2)目標値をあらかじめ設定した関数に沿つて変化させた場合, 制御パラメータの制御量がそれに追従しうるような追従制御, 3)機械系のトラブルや血栓などによる血液ポンプのトラブルに対処するための制御, の3種の制御に対する制御アルゴリズムの開発を行った。入力情報は右心, 左心のストローク状態と右心流量である。操作パラメータは, 駆動陽圧, 駆動陰圧, 駆動陰圧, 収縮期比率, 拍動数で, 基本的にこのうちの2パラメータ以上を変化させている。変化させる操作パラメータの優先順位及び許容範囲は, あらかじめ任意に設定しておき, これに従った。制御装置にはマイクロプロセッサを用いている。