日本胸部疾患学会雑誌
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肺結核治療中に腹痛にて発見された腹膜下結核種の1例
藤下 隆赤川 直次辻 政彦三輪 淳夫水島 豊小林 正
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1994 年 32 巻 8 号 p. 791-795

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抄録

58歳, 女性. 肺結核で入院加療中, 左季肋部痛が出現. 腹部超音波検査及び腹部CTにて, 腹壁と肝左葉との間に孤立性の腫瘤影が認められた. 同腫瘤の吸引細胞診検査で転移性肝腫瘍が疑われるも原発巣は同定できず, 審査開腹術が施行された. その結果, その腫瘤は肝外性で腹膜下結核腫であった. 上腹部のリンパ節結核も認められた. 腹部の結核は, 昨今我が国では比較的まれであり, 腹部の腫瘤の鑑別診断上, 貴重な症例と考えられた.

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