日本胸部疾患学会雑誌
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ケトプロフェン貼付剤によるアスピリン喘息の1例
田中 春仁中原 康治酒井 聡後藤 紘司
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1992 年 30 巻 4 号 p. 653-657

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抄録

症例は副鼻腔炎と鼻茸の手術歴がある40歳女性のアスピリン喘息患者である. プラノプロフェン (ニフラン®) の内服による喘息大発作で, 人工呼吸管理された既往がある. 今回上気道感染のため入院中であった. 入院2日目に肩こりのためケトプロフェン貼付剤 (ミルタックス®, ケトプロフェン30mg) を使用した. ところが約5時間後に喘鳴が出現し, 続いて意識障害を伴う大発作となり人工呼吸管理を施行した. ケトプロフェン濃度が異常高値 (81.7ng/ml) であったため同剤を責任薬剤と疑い, 貼付による負荷誘発試験を施行した. ケトプロフェンの血中濃度の上昇と対応して喘息発作が誘発され, ケトプロフェン貼付剤でも経皮吸収によりアスピリン喘息が誘発される事が示された.

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