移植
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日本スキンバンクネットワーク 2021年度活動報告
小川 由季青木 大松村 一田中 秀治副島 一孝佐々木 淳一
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s307_3

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抄録

日本スキンバンクネットワーク(以下当バンク)は2016年8月より本格的にバンク活動を再開し、現在は関東圏の当バンク加入施設および東海地方の同1施設内、さらに承諾作業協力が頂けるコーディネーターが在籍する地域の一部施設からのドナー情報に対応している。また採皮はこの地域の当バンク加入施設医師の協力によってなされており、シッピングはこれまで通り全国79加入施設へ随時おこなっている。

2021年4月から2022年3月までに当バンクが受信したドナー情報は22件であり、このうち提供に至った症例は4件。221.4単位(100c㎡=1単位)のAllograftを保存。レシピエント数は9名に対し15回延べ158.65単位のAllograftの供給を行った。Covid-19 の影響により当バンクでのドナー数は近年減少傾向であったが、2021年度は増加に転じた。レシピエント数・供給数は毎年一定数を維持している状態が続いている。

今後のスキンバンクの課題として安定したAllograftの供給を図るため活動エリアの拡大が必須である。その為にコーディネーター教育システムのデジタル化、さらには採皮医・移植医に向けた教育・資料コンテンツのEラーニング化を推進している。さらに、もっと多くの救急医療機関でドナーの提供意思が尊重できるような体制整備が重要となる。熱傷治療の中でも患者救命というスキンバンクの使命を果たしたい。

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