移植
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臓器提供についての勉強会開催での院内普及啓発の効果
宮島 由佳纐纈 一枝髙木 友貴岩崎 有杜剣持 敬
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s329

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抄録

【はじめに】当院は2021年5月までに、260件の臓器提供の実績を有する。コロナ禍においても2件の脳死下臓器提供を行った。院内コーディネーター(以下院内Co)の役割として、職員に対する臓器提供、臓器移植の普及・啓発がある。院内啓発活動としてはシミュレーションや勉強会等があり、職員の理解を深めるために重要である。今回、当院の臓器提供についての勉強会とシミュレーションにつき報告し、その効果について検討した。

【方法】2019年4月~2020年3月に「臓器提供」、「家族面談」、「法的脳死判定」、「小児の臓器提供」の4つのテーマにわけて勉強会、シミュレーションを開催した。

【結果・考察】4回で計104名の参加があった。開催後アンケートでは参加者の臓器提供への理解度が深まり、救命救急センターの看護師から院内Coへのポテンシャルドナー(以下PD)の連絡数が、2019年度7件に対し2020年度は29件と大幅に増加した。さらに、シミュレーションへの参加をきっかけに臓器提供や院内Co活動に興味をもち、2021年度より院内Coとして活動を始める看護師もいた。

【まとめ】院内普及啓発活動の結果、院内CoへのPDの連絡数の増加がみられた。臓器・組織提供では多職種での連携が必要であるが、職員の異動等により臓器提供経験が少ない職員も増えることが考えられる。そのため、今後も定期的に開催する必要があると考える。

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