移植
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働き方改革に向けた施設間・施設内連携の強化の重要性
曽山 明彦望月 保志関野 元裕平尾 朋仁宮崎 拓郎日宇 健足立 智彦田中 貴之原 貴信松島 肇今村 一歩日髙 匡章田崎 修江口 晋
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s183

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抄録

移植医の働き方改革に向けた施設間・施設内の連携強化の重要性について述べる。【施設間連携】互助制度における器械貸出や自施設で臓器提供が行われる場合の器材貸出についての業務フローを確立させておくことにより、摘出チームが持参する器材の削減による負担軽減に繋がる。当院では臓器提供時の器械貸出について院内マニュアルに記載している。日本移植学会による臓器摘出セミナーでは、臓器摘出における手技の他、業務プロセスについて系統的に講義されており、互助制度の拡充の為には教育による各施設の共通認識の確立が重要と考えられる。【施設内連携】当院では「脳死下臓器提供支援チーム」を設立し、集中治療医によるドナー管理や各臓器診療科・関係部署による業務分担を行っている。提供施設において、チームによるドナー管理・評価体制を整備することは、院内医師の負担軽減のみならず、メディカルコンサルタントの業務負担軽減等、移植医の業務負担軽減に繋がることが期待される。【臓器提供におけるインセンティブ経費の配分】当院では臓器摘出時の職員派遣や院内での臓器提供時の支援を担当した部署にインセンティブ経費の配分を行っており、持続可能性を高めることに繋がると考えられる。【結語】共通認識に基づいた互助制度等による施設間の連携強化や自施設で提供が行われる際の連携強化は移植医療全体の業務分担につながり、移植医の負担軽減に繋がると考えられる。

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