2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 212_1
心臓移植実施施設は11施設あり、レシピエント移植コーディネーター(RTC)は25名(専従9施設15名、併任2施設8名、産休2名)、このうち認定RTCは7名である。各施設および当院の現状から、認定制度の課題を検討する。1.各施設の現状認定RTCがいる施設では、心臓移植実施施設認定基準ならびに移植後患者指導管理料の算定要件に該当する者とされ、認定RTCがいない施設でも要件に該当する者とされている。1施設では、認定の取得で変わらなかったが、移植後患者指導管理料の算定により併任→専従となった例があった。2.当院の現状RTCは3名(認定RTC2名)おり、業務内容は認定資格の有無による違いはない。RTCはキャリアパスの1つとされ、これまでに5名(認定開始前従事2名、認定開始後従事3名)着任した。認定開始後の3名のうち2名が認定を取得した。2名の認定RTCは、新規申請の必要な実務要件の全プロセス(意思決定~登録~待機~手術~退院~退院後外来フォロー)の対象患者は、いずれも小児例(待機期間146日、175日)であった。3.今後の課題認定RTCの更新資格は専任もしくは専従であり、専任・専従の継続、併任→専任・専従の処遇の改善に繋がることが期待される。心臓移植の待機期間は5年前後であり、認定には5年前後かかり、認定取得できない、または認定取得後すぐに異動になることから取得しない者が増える可能性がある。