日本循環器病予防学会誌
Print ISSN : 1346-6267
集団検診における血圧測定値の末尾の数字の読み
竹森 幸一三上 聖治仁平 將
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2001 年 36 巻 3 号 p. 157-162

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抄録

2000年に、全都道府県から抽出した195市区町村の主として老人保健事業で測定された40歳から69歳の女性9696名の血圧値を資料として、水銀血圧計については偶数の、自動血圧計については0から9の末尾の平等性を検討し、次の結果を得た。
1) 水銀血圧計で測定された6560名の最高および最低血圧値は、奇数を除いた偶数の平等性はともに否定され (それぞれχ2=772、p<0.001、χ2=1855、p<0.001) 、末尾に0が多いことが示された。
2) 自動血圧計で測定された2919名の最高および最低血圧値は、末尾0から9の平等性は否定された (それぞれχ2=53.4、p<0.001、χ2=72.9、p<0.001) 。最高、最低血圧値ともに末尾は奇数より偶数が多いことが示された (それぞれχ2=36.6、p<0.001、χ2=384、p<0.001) 。
3) 1985年調査と2000年調査の測定値について、最高、最低血圧値の末尾0と0以外の偶数の割合を比較した結果、末尾0の割合が最高血圧が41.1%から33.7%、最低血圧が45.5%から41.4%と2000年調査の方が減少していた。
血圧分類は140-159mmHg、90-99mmHgのように末尾0が境界になっていることから、測定値の末尾0の割合の違いが高血圧の有病率に影響を与えるものと考えた。

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© 社団法人 日本循環器管理研究協議会
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