日本栄養士会雑誌
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小学校の食に関する指導におけるコーディネートの現状と課題-宮城県の栄養教諭・学校栄養職員を事例として-
氏家 幸子平本 福子
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2013 年 56 巻 4 号 p. 279-288

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抄録

「食に関する指導」のコーディネートは、栄養教諭の職務であるが、まだ具体的内容等が整理されていない。そこで本研究では、宮城県の小学校の栄養教諭・学校栄養職員(94 名)を調査対象とし、コーディネートの実践により「している」、「してみよう」、「していない」の3 グループにタイプ分けした上で、それぞれのタイプの現状と課題を明らかにした。その結果、栄養教諭・学校栄養職員のうち、全体計画の作成でコーディネーターの役割を有していた者は約40% であった。年間計画への関与や各学年のカリキュラムの進捗状況の把握は、全体ではあまり行われておらず、タイプ間に差が見られたことからコーディネートを実践するための今後の課題である。コーディネートの意識では、重要性は十分に浸透していたが、自己効力感および関係者から要請されていると思うかは、タイプ間の差が見られ、意識と実践への関連性が確認された。また、家庭や地域との連携のコーディネートは、まだ実践が少なく、コーディネートに向けての情報収集とネットワークづくりが課題である。困難な理由では、全体的に給食管理の多忙さが挙げられ、関係者の理解と合わせて課題となっている。

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