2020 年 27 巻 2 号 p. 155-159
我々は独自の手術概念を導入した新たな双眼による4K画像の3Dビデオ蛍光顕微鏡を開発した. 開発した装置は高性能レンズを搭載し, 手術部位を遠方からのズームにより双眼3Dの4Kモニター上に映し出す仕様で, 手術の安全性向上と外科医の負担軽減, 外科教育の促進効果を目指し, 以下の特徴を有する. (1) 術者と助手は, ヘッドアップの状態で同一視野を共有できる. (2) 高性能レンズと遠方からのズームを行うことにより, 焦点深度は拍動する血管や呼吸性変動などによって大きく乱されない. (3) このシステムにより外科医は頸部への負荷を最小限にする「ヘッドアップ」状態で長時間の手術時間を許容することができる.