2010 年 39 巻 2 号 p. 156-162
大量のディジタル画像を手動で分類するのは非常に手間がかかり,これら大量の画像をソフトウェアによって 自動的に分類する手法は有用であると考えられる.しかし,画像を自然物画像と人工物画像のように大局的に分類するといった研究は ほとんど行われていない.本稿では,デジタルカメラによって撮影された大量の画像を,自然物画像と人工物画像とに自動で分類する方法を提案する.本手法では,自然物画像と人工物画像のエッジ方向の分布の 統計的差異を利用することにより,対象画像をパラメータを用いることなく分類することができる.本手法では入力画像のエッジ方向および強度を用い,重み付けエッジ方向ヒストグラムを作成し,ヒストグラムの周波数成分の自然物画像,人工物画像の平均データとの距離によって,自然物画像か人工物画像かを判定する.実験結果から,本手法の有効性を示す.