近年,車載映像処理技術がITSの分野で注目を浴びている.その中でも,自動で人物を検出する技術は世界中で研究されており,Dalalらによって提案されたHOG特徴量とSVMを用いた人検出はよく知られている.しかし,検出に必要のない背景部分が含まれてしまうという問題がある.そこで本稿では,人マスクを用いたHOG特徴量による人検出と,人検出手法を身体方向検出に応用する手法を提案する.身体方向の検出は,道路交通環境における歩行者の急な飛び出しを予測するシステムのような,より知的なシステムを構築するために必要な技術である.屋外環境における実験結果から,人検出,身体方向検出のいずれにおいても性能向上を確認したので報告する.