2008 年 37 巻 1 号 p. 50-56
本稿では,液晶ディスプレイ(LCD)に現れるむら欠陥の輪郭候補画素を 検出する手法について述べる.LCDのむら欠陥は,その位置やサイズ, 状態が不定であるため,熟練作業員の目視検査に頼っているのが現状である. 提案手法では,最初にLCDの撮像画像から簡易的な方法によってモアレの 低減を試みる.次に,周辺の画像パタンに応じて,画素ごとに方向と サイズが適応的に変化する方向サイズ可変フィルタを適用する.そして, 局所的なブロックごとの動的しきい値処理を通して,むら欠陥を 構成する輪郭線候補画素を抽出する.実験の結果,提案する方向サイズ 可変フィルタが有効に働き,むら欠陥の輪郭部が良好に検出できることがわかった.