2005 年 34 巻 6 号 p. 760-769
モバイルやユビキタス環境など表示領域が限られている場合に,多くのウィンドウを表示すると他のウィンドウに隠されてしまうという問題がある.隠れたウィンドウを参照しながら元の作業を続けるには,フォーカス切り替えが必要で,作業のコンテキストが不連続であるといえる.本稿では,コンテキスト連続性を考慮したウィンドウ操作インタフェースを提案する.まず,コンテキスト連続性を維持するため頭部動作の利用を検討する.次に,通常作業の典型的頭部動作を磁気式三次元位置センサで測定し,意図的な動作とそれ以外の動作を区別する方法を検討し,その検討結果を用いてウィンドウ位置制御方法を設計する.そして,本制御方法の評価実験を行い,有効性を示す.最後に,磁気式センサを使用しない無拘束なカメラ顔認識による方法を検討し,実装,評価を行う.