ロイコ染料系高感度感熱記録紙の顕色剤として新規な含硫黄系フェノール性化合物を開発した．特に，4-メルカプトフェノール2分子を，エーテル基含有アルキレンで結合したジフェノールは，従来の顕色剤に比べ，格段の高感度特性を有するうえ，画像安定性にも優れている．本報においては（1）顕色剤のイオン化ポテンシャルと感熱記録紙の熱感度の関係の理論的解明と（2）硫黄原子含有顕色剤が高感度特性を有する理由についての考察を行ったので報告する．