電子写真学会誌
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光背面記録法
佐々木 幸雄木村 正利中島 淳三
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1992 年 31 巻 4 号 p. 542-548

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抄録

画像露光と現像を同時に行う新規な記録法を提案し,記録条件を明らかにした.
本記録法では,磁気ブラシ現像器と画像露光系とを,べ一スの透明な感光体を挟んで対向配置させ,2つの現像工程によって感光体上にトナー像を得る.第1現像では,現像器の固定スリーブ上に設けた帯状の記録電極位置で,感光体背面からの画像露光と同時に帯電トナーによる一様現像を行い,トナー潜像を形成する.第2現像では,記録電極近傍に形成した現像剤たまりにおいて,スリーブに印加したかぶり回収電圧を用い,非露光部のトナーを静電的に回収する.
上記記録法の印字条件を明らかにし,プリンタを試作した.この装置は,記録媒体に有機感光体フィルムを用い,帯状記録電極を設けた現像器,LEDアレイ光学系,転写ローラ,除電ランプ,定着器で構成した.現像剤には,小粒径の導電性キャリアと磁性絶縁性トナーを用いた.このプリンタでは,普通紙上で光学濃度1.0の良好な印字を得た.
本記録プロセスは,(1)簡易なプロセスであるため小型化が可能,(2)コロナ放電を用いないため有害なオゾンが発生しない,(3)未転写トナーを現像器で回収可能,といった特徴がある.このため,次世代の電子写真プロセスとして期待できる.

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© 1992 一般社団法人 日本画像学会
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