ネットワークポリマー
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トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂/マレイミド樹脂の 高耐熱性成形材料への応用
樫野  智將山下  勝志高浜  啓造大塚  恵子木村  肇松本  明博
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2014 年 35 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

マレイミドの二重結合の反応性を利用して,マレイミド樹脂をトリアジン骨格含有アリル化エポキシ化合物(DAMG,MADG)とアミンで変性することにより,高耐熱性と低熱膨張性を示す樹脂硬化物を得た。この混合系樹脂は,DAMG やMADG の代わりにビスフェノールA 型エポキシ樹脂を用いた場合と比較して,30℃以上高いガラス転移温度と400℃に近い熱分解温度,50 ppm 台の低熱膨張性を示した。さらに,次世代パワーデバイスに対応する高耐熱性封止材料の開発を目的として,この混合系樹脂を成形材料化した硬化物は,樹脂硬化物の場合と同様に優れた耐熱性と低熱膨張性,および難燃剤の添加なしでUL 規格による難燃性V-0 を示した。これは,従来のフェノール硬化エポキシ樹脂封止材料の性能を超えるものであった。

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© 2014 合成樹脂工業協会
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