都市計画論文集
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市民の属性および居住地からのアクセスとデジタル化される都市サービスの利用との関係についての試行的研究
兵庫県西部における図書館・電子図書館サービスのケーススタディ
瀬田 史彦
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 57 巻 2 号 p. 442-451

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抄録

本研究は、図書館および電子図書館の利用について、兵庫県西部を対象に、一般的な市民属性に加え、アクセスの属性、電子媒体の利用などデジタル化に関係する属性、およびコロナ感染への意識について、クロス集計を行ったうえでロジスティック回帰モデルを構築し、その結果から利用者の推定を試みた。研究の結果、図書館の利用とアクセス距離の関係が有意に認められたが、電子図書館では認められなかった。また、図書館の利用には性別、年齢、読書習慣といった属性が、電子図書館の利用には性別、電子図書館所在市町への居住、電子図書館の認知、図書館の利用方法、電子媒体の利用といった属性が関係することが明らかとなった。コロナの警戒度は図書館が負に、電子図書館が正に効き、行動変容が影響を与えたことがわかった。また図書館統合で減少する利用者数が電子図書館導入により補填されることや、コロナ終息後に利用者が大幅に増加することが推定された。

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© (c) 日本都市計画学会
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