2019 年 54 巻 3 号 p. 1283-1290
路上喫煙を区内全域で禁止している東京都千代田区、港区、世田谷区では、喫煙所に対する助成制度を設け喫煙可能な場所の確保に努めている。本研究では3区へのインタビューおよび実態調査をとおして、助成制度の課題や助成喫煙所の設置状況を明らかにした。設置の条件として住民の合意を得なければならないことが、喫煙所数の増加を困難にしていることが確認された。また助成喫煙所の立地特性と助成喫煙所が入居している建物の特徴が、千代田区と港区では異なっていた。助成制度は屋外全面禁煙である3区において分煙環境の整備に一定の役割を果たしていると考える。