2010 年 45.3 巻 p. 775-780
本研究では、昭和初期に開発された堺市大美野住宅地を対象に、昭和49年から平成19年にかけての住宅更新に伴う接道部緑被の変化実態を捉えた。結果、大美野住宅地では、昭和49年時点において、敷地面積が300m2以上で接道部の緑被延長率が60%を越える宅地が半数を占め、緑豊かな通り景観を形成していた。約30年間の住宅更新に伴って接道部の緑被延長率が減少する敷地が増加し、特に敷地規模が200m2未満で接道部に緑を保有しない分割敷地が増加している実態が明らかとなった。建物が建て替えられた敷地では、200m2以上500m2未満の敷地では、接道部の緑が継承される敷地と消失する敷地が同程度確認できた。