都市計画論文集
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京都における町家カフェのファサード構成要素及び内部からの漏れ光がファサードの評価に与える影響
持永 愛美奥田 紫乃
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2010 年 45.3 巻 p. 379-384

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抄録

日本を代表する歴史的・文化的都市である京都では、伝統的な町家によって街並みが形成されてきた。現在では街並みを保全するために町家を継承する動きがあり、町家を商業施設にリノベーションする事例が見られ、その中のひとつに町家カフェが挙げられる。カフェは飲食だけでなく、休息やコミュニケーションの場など様々な目的で利用され、カフェの外観デザインには、多様な目的を持つ利用者に対する誘引性が求められると考えられる。しかし、歴史的・文化的都市である京都では、誘引のみを目的としたデザインの店舗が増えると、街並みの秩序が乱れ、景観が損なわれる可能性がある。そこで本研究では、京都の街並み景観にふさわしい町家カフェのファサードデザインを明らかにすることを最終目標とし、町家カフェのファサード構成要素に加え、夜間における内部からの漏れ光がファサードの評価に与える影響を検討することにより、個々の店舗が立地条件や営業時間帯などに応じてファサードデザインを決定するための資料を示すことを目的とした主観評価実験を実施した。その結果、開口部の面積率が10~43%の条件において町家カフェのファサードとして好ましいことが示された。

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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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