都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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日本統治下台北における近代都市計画の導入に関する研究
五島 寧
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 44.3 巻 p. 859-864

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抄録

本研究は、日本統治下台北の土地の権利制限、街路計画と建築規制の連動、事業手法の拡充に着目して、その起源や経過を分析した。郊外部の統制は既に1901年の第四次計画で観察され、「新市街地の大動脈」となる街路は第六次計画に先立って計画されている。また市区計画は、建築・上下水道・埋立事業における上位計画等としても機能し、明示された公定計画として来歴の異なる実現手段を統合していた。ただし、これらは個別制度の運用の結果であって、土地区画整理や地域地区制の導入などを含め、近代都市計画を制度的に体系化したのは台湾都市計画令である。しかしながら、市区計画が、都市施設の配置計画と権利制限という表層的な特徴を超えて、市街地整備の上位計画としての機能を付託されていたことは、注目されて良いだろう。

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© 2009 公益社団法人 日本都市計画学会
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