2008 年 43.3 巻 p. 931-936
地方都市では、人口減少とモータリゼーションの進行によりこれまで目標としてきた都市構造からの乖離が進んでいる。一方、市町村合併が近年旺盛に展開し、合併後の都市計画区域の見直しが課題となっている。本研究は、秋田県下における合併後の都市構造の再構築に関する実態分析を通して、都市計画区域の見直しに係る知見を得ようとするものである。分析・考察の結果、1)合併後に再構築された都市構造は中心拠点の分散・ネットワーク型の構造であること、2)都市計画区域は開発促進とともに開発抑制の動機から拡大再編の見直しが意図されていること、以上の2点を明らかにし、人口減少型社会における都市計画区域の再編にあたり、開発抑制を目的とした都市計画区域の積極的な拡大にはそれを支える制度の充実が必要であることを引き出した。