都市計画論文集
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地区レベルの計画に位置づけられた都市農村交流の効果と課題に関する研究
神戸市共生ゾーン条例を事例に
二神 茉莉子柴田 祐澤木 昌典
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.3 巻 p. 877-882

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抄録

本研究は、大都市近郊の農村地域における住民主導による地区レベルの計画の先進的事例である、神戸市「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」を事例として取り上げ、里づくり計画に位置づけられた都市農村交流に着目し、交流活動の効果と課題を明らかにすることを目的とする。20地区の里づくり協議会会長へのアンケート調査及び交流活動を実施している5地区の住民へのアンケート調査を行い、交流活動の効果と課題について把握した。その結果、里づくり協議会会長は、交流活動の効果として、地域コミュニティへの効果を感じているが、自然環境・生活環境・景観面への効果はあまり感じていない点、住民は、交流活動の効果として、「農業生産性の向上」「地区への経済的効果」「地区内コミュニティの活性化」を感じている地区がある一方で、効果をあまり感じていない地区もあり、認識に差が生じていた点、また、より積極的に交流活動へ参加している住民ほど、多様な側面での効果を感じる傾向があったが、効果を実感できる範囲は、交流活動の担い手の範囲に留まっている点などが明らかとなった。

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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