2007 年 42.3 巻 p. 763-768
本研究ではエアランゲン市を事例として、ドイツにおける自治体レベルの土地利用計画(Fplan)策定時のSEAの内容と手続を調査することを通じてその特徴と課題を明らかにすると共に、わが国の土地利用計画へのSEA適用に関する示唆を得ることを目的とする。結論としては、第一にドイツにおけるSEAの適用段階はわが国の都市マスタープランと比較して内容が相当程度具体化している開発に関して、その立地の検討段階から評価を行っていること、第二に調査内容は環境的側面が中心であり、社会的経済的側面については別の衡量プロセスで評価されていること、第三にエアランゲン市においてはSEAが多段階で行われており、これはSEAの効率的実施に役立つものと考えられること、第四に住民等の参加手続の実施時期にはなお検討課題が残されていること、が挙げられた。