都市計画論文集
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市民による「色彩参画」と街並みの景観イメージとの関係に関する研究
小田 憲治近藤 隆二郎
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.3 巻 p. 511-516

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抄録

本研究では、日常の街並みの景観を捉えなおす手法として「色彩参画」を提案し、「色彩参画」を行うことによって、変化するであろう市民の景観イメージに焦点を当てる。「色彩参画」とは、「決められた色を持つ任意の要素(モノ)を市民が街並みに飾り付けることによって街路景観の形成に参画すること」とする。本研究では、「色彩参画」が街並みの景観イメージに与える影響を明らかにし、景観形成における「色彩参画」の効果を明らかにすることを目的とする。「色彩参画」実験が市民の景観把握へ与える影響を明らかにするために、実験の前後にアンケート調査を行い、街並みの景観イメージと景観認識、実験への関心に関するアンケート調査を行った。調査の結果、「色彩参画」を行うことで、日常の街並みの景観を捉えなおし、新たな一面を発見することができることが示された。つまり、景観形成への市民の積極的な参画を促すためのツールとして、「色彩参画」を用いることができると考えられる。今後、市民が景観計画や景観協定等の策定といった、日常の景観をつくる際に市民が参画するための“入り口”として「色彩参画」が用いられることが望まれる。

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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