2005 年 40.2 巻 p. 1-7
本研究では、都市公共空間の典型の一つである佐賀県立森林公園を対象にサウンドスケープの調査・分析を行った。まず、サウンドスケープの構成要素とその構造、好感度や合致度などを含める利用者の各要素に対する主観評価を明らかにした。続いて、サウンドスケープの空間形態に注目し、クラスター分析により性格の異なったサウンドスケープの空間ゾーンを分類し、それぞれのゾーンのサウンドスケープの特徴を把握した。さらに、サウンドスケープの構成要素の重要度や公園内のサウンドスケープの外部への影響を周辺住民のアンケート調査で明らかにした。本研究の結果は都市公園のサウンドスケープデザインに有用であるとともに、さらに都市公共空間におけるサウンドスケープを組み入れたトータル・ランドスケープの研究とデザインに対して方向性を与えると考えられる。