1985 年 20 巻 p. 295-300
人口のバンコクへの集中及び彼らの都市への不適応の減少は、現在タイで最も深刻な問題の一つである。本研究では、タイの地域間人口移動の特徴を明らかにするとともに、データの不足した地域での人口移動分析へのマルコフ連鎖モデルの適用可能性について検討した。分析からは、バンコクへの人工手ツウは激しいものの、国民の生活基盤である農業生産性もブル要因として大きく作用していることがわかる。またデータの不足から十分な説明力を持つには至らないが、データの少ないタイにおいてもマルコフ連鎖モデルを用いた分析が、統計的有効範囲で符号条件・マルコフ連鎖モデルの条件を満たしつつ変数間に一定の説明を与えた。