2020 年 31 巻 p. 5-8
コンパクトシティ政策を進めている富山市を対象として2005年,2010年,2015年の国勢調査の地域メッシュデータを用いて人口分布を把握した.その結果,2005年から2015年にかけて市全体に占める市街化区域の人口割合が上昇していることを確認した.また,人口規模別階級を整理したところ,2005年から2010年にかけては人口1,000人以上を有するメッシュ数が減少したのに対して,2010年から2015年にかけてはメッシュ数が増加に転じた.これらのデータや基本統計量の推移を考慮すると,富山市では2005年から2010年にかけては人口分布が拡散する傾向にあったが,2010年から2015年にかけては人口拡散に歯止めがかかり,集積する傾向に転じていることが確認できた.