都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第41回学術研究論文発表会
セッションID: 131
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サイバー立地に対応した空間利用コントロールの必要性に関する試論
*谷口 守
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抄録

技術革新に伴って人類はその行動範囲を広げてきた。現在では自動車利用者を念頭においた郊外ショッピングセンターの進出が、土地利用計画上大きな問題となっている。しかし、IT技術は自動車以上に個人の購買圏を大きくい広げており、サイバー型店舗が実際にどこに立地しているか、そしてそれは将来どのように展開するかということを見極めておく必要がある。この論説では、実際にわが国の主要なサイバー店舗3,103店がどこに立地しているかをその扱っている商品内容とともに詳細な追跡を行った。分析の結果、サイバー店舗は一般店舗以上に東京都心に集中しつつあること、また期待された空間透過性が地方や既成市街地では発揮できておらず、その一方で僻地にも空間的に無計画に立地が見られることを実証的に明らかにした。また、商品別のダウンロード特性などの検討から、一部の商業形態では既成市街地の商業機能を速い速度で侵食する可能性を指摘した。以上の結果より、本論説ではサイバー立地に向けた新たな空間コントロール制度導入の必要性を主張し、またその方法は線引きなどの既存手法に縛られないことの必要性を指摘した。

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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