本研究は、都市緑地面積とその空間関係の双方を考慮した都市緑地政策の評価を行うことを目的とする。このため、2階集塊性指数と住民のアクセシビリティを組み合わせた新しい統合指標を開発し、その他の既存の指標と併せて、ケーススタディとして、大阪市の区別の都市緑地政策に適用した。その結果、(1)集塊性指数が、実際の都市における緑地政策にも適用できること、(2)生物の観点から見た都市緑地整備の効率性を評価することができること、(3)その効率性とアクセシビリティの双方の観点から、区別に都市緑地分布をパターン分けできること、(4)それらの統合指標が、生物と人の両方の観点から行われる都市緑地政策を明示的に評価できること、がそれぞれわかった。