主催: 社団法人 日本都市計画学会
1990年以降、社会主義体制下にあった多くの都市は、民主主義体制へと移行しつつある。社会主義化では、土地や住宅は国家のものとされていた。しかし民主主義下において土地や住宅は個人の所有となり、その概念にも変化が生じているものと考えられる。本論文は、このような都市の1つとしてモンゴルの首都ウランバートルを取り上げ、2つの異なるタイプの住宅地に見られる土地と住宅の変容を調査した。その結果、個人の所有する土地と公的な空間の境界はあいまいで、前者が後者を侵食しつつあり、公的空間の明示と基盤の整備、さらには公共意識の醸成が必要である事が明らかとなった。