中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 1-E-O-7
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O-13 橈骨遠位端骨折1
ADLの比較的高い橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート法の治療成績
河本 正昭岩崎 廉平渡辺 慶笠原 俊幸木村 豪太
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抄録

 橈骨遠位端骨折の観血治療の適応として,X線学的な変形と受傷前のADLを指標としている.本骨折に対する掌側ロッキングプレート(以下VLP)による観血手術は整復位の保持に優れており第一選択としている.VLP法を施行した症例の臨床成績と当科での手術時の工夫等について述べる. <対象>橈骨遠位端骨折に対してVLPにて観血手術を施行した19例20手を対象とした.男4例5手,女15例15手,年齢は32歳から73歳(平均62歳)であった.全例受傷前ADLは屋外生活自立レベルであった.骨折型はAO分類でA3が9例9手,B2,B3が各1例1手,C2が7例7手, C3が2例2手であった. 尺骨茎状突起基部骨折の合併は7例8手であった.併用した治療手技として尺骨茎状突起の整復固定が5例5手,人工骨補填が2例2手,鋼線刺入が3例3手,創外固定が1例1手であった.C型骨折における背側尺側骨片に対しては経皮的に鋼線操作で整復した. <結果>全例で良好な整復位を獲得でき,経過中の再転位は認めなかった.術後CRPSと思われる腫脹,しびれを生じた2例2手で指拘縮が遺残した.残りの18手の臨床成績は良好であった.尺骨茎状突起骨折に対してはTFCCを含めて縫合しDRUJの制動に有効であった.VLP法後も手根骨の掌側脱臼傾向を認めた症例に対し掌側月状骨窩骨片を縫合することで安定した.

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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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