1992 年 54 巻 5 号 p. 67-73
厚い果皮をもつブンタンのような青果物を, 二層構造をもつ任意形状軸対称物体と見做し, 果肉と果皮の温度伝播率を求める方法を示すことを主な研究目的とした。この目的のたあに二層モデル球とブンタンを用いた。
その結果, まず熱物性の異なる二層構造モデル球のそれぞれの熱伝導率は, 冷水冷却実験と有限要素法による試行法とによって決定できることを示した。
次に, ブンタンの果肉部と果皮部の温度伝播率は, 有限要素試行法と冷水冷却実験による内部温度の経時変化曲線との比較かち, それぞれα1=6.84×10-4, α2=4.44×10-4m2/hrと決定された。