農業機械学会誌
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シミュレーション手法による搾乳施設作業能率の解析 (第3報)
パイプライン・ミルカの場合
権藤 昭博長谷川 三喜我妻 幸雄
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1988 年 50 巻 1 号 p. 81-90

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抄録

つなぎ飼い牛舎におけるパイプライン・ミルカの搾乳能率を明らかにするために, 1人当り使用ミルカ1, 2, 3, 4ユニットの場合のシミュレーション・モデルを開発し, 各種条件における搾乳能率, 余裕時間, 過搾乳時間を算出した。さらに, 搾乳能率を簡易に求める予測式を作成した。その結果, つぎのことを明らかにした。(1) 搾乳能率に最も影響を及ぼす要因は, 牛群の平均搾乳時間およびミルカのユニット数である。(2) 牛群の平均搾乳時間が2min×ユニット数あたりに搾乳能率に関する分岐点があり, それ以上では平均搾乳時間によって影響を大きく受け, それ以下では前・後処理作業時間の影響を大きく受ける。(3) 総体的な観点から, ミルカの使用台数は1人当り3ユニットまでが良好であり, 4ユニットの場合は, 過搾乳にならないようにティートカップ自動離脱装置などを装備する必要がある。(4) 牛群の搾乳時間の変動係数 (バラツキ) および牛群の大きさは, 搾乳能率にほとんど影響しない。(5) 作業者が複数の場合, 作業の工程を分担するよりも, 搾乳牛の頭数を分担した方が搾乳能率がやや向上するがその差はあまりない。

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